材木屋さんて何をしているの(第9回:土台に使うなら)


こんにちは、街道です。

皆さんの中には、これから家を新築しようとしている方や、または既に建ててしまった方もいらっしゃると思います。

さてそこで、今お住まいの住居の土台には何が使われているかご存知ですか。案外ご存じない方が多いです。

調べようと思っても、建築当時の設計図面なんてないし、実際に調べるとなると床下にでも潜らないと分りません。

木材ならなんでも良いという訳では勿論ありません。私が、この業界に入って20年程の間に、土台として扱った樹種は

米ヒバ、青森ヒバ(または能登ヒバ)、桧、ラクヨウ松の防腐処理材などです。米松の防腐処理材も流通していますが、

私は扱ったことがありません。上記の中で、現在、石川県で比較的よく使用されているのは、米ヒバ、桧でしょう。

特に最近は、米ヒバよりも桧を使う機会が増えてきています。

土台は、家の基礎となる部分であり、床下の水気にさらされることから、そこに使う木材は、水に対する高い不朽性と

シロアリに対する強い防蟻性が必要とされます。従って、お勧めする樹種もその性質をどれだけもっているかがポイント

となります。

ここでは、米ヒバ(巻頭の写真)、青森ヒバ(能登ヒバも同様)、桧(上の写真)について、紹介します。

これらの樹種は、いずれも高い不朽性と防蟻性を兼ねそろえる木材です。

米ヒバは、米の字が示すように、北米の太平洋岸を産地とします。黄褐色の白っぽい木で、青森ヒバと見た目が

似ていたことから、米ヒバと呼称されるようなりましたが、種類は違います。

青森ヒバは、日本固有の樹種で、地方によってはアスナロとか草マキとも呼ばれます。青森では、古くはヒノキとも

呼ばれていたそうです(ややこしいですね)。

米ヒバも青森ヒバも、ヒノキチオールという高い抗菌・防虫効果を持った成分を、本家の桧よりも多量に含んでいます。

そのためにシロアリを寄せ付けないのです。

さて、桧ですが、分類上は米ヒバと近縁です(米ヒバはヒノキ亜科ヒノキ属)。古くは日本書紀にも、「桧は宮殿に使うべし」

と書かれる位、建築に適した樹種として認知されてきました。その名の由来は、古代の火おこしに使ったから「火の木」とか、

尊く最高の意の「日」をとって「日の木」となったとか、色々な説があります。その桧の独特な香りはなんともいえないものが

あります。ただ、シラタ部分(丸太の周辺部の柔らかい組織)は、桧といえども腐り易いのでご注意ください。

いずれにしても、木は適材適所での利用が肝心です。

それでは、また。