磨き丸太のご注文


こんにちは、街道です。

先週末にお客さんから、杉の磨き丸太の注文がありました。

既存の住宅のポーチに使っているのが古くなったので、新しいものと取り替えるのだそうです。

どの程度のがいるのと尋ねると、程度の表現の仕方が分からないから、見てきてくれとのこと。

自宅からそう遠くないところだったので、日曜日にみてきました(写真)。

直径105㎜程度の無節材、上・中・下で分ければ上でした。

磨き丸太といえば、北山や吉野が有名ですが、どんな風に作られているかご存知ですか。

大変な手間暇がかかっています。

順を追ってみていきますと、

まず、できるだけ良い系統の挿し木を2年程畑で育てます。それを3年目に植林します。

その後8年間くらいは、毎年下草刈をします。また、6年目頃からは枝打ちも行います。

この枝打ちは、磨き丸太の品質を決定づける最も重要なものです。3~4年毎に行われますが、

高所で鋭利な刃物を使う危険で大変な作業です。

多くの丸太は植林後30年程で伐採されます。伐採前年には、枝締めとよばれる作業があります。

これは適度に枝を落とし、木の余計な太りを抑えるとともに、木肌を良くするための作業です。

伐採された丸太は、1か月程、その場で放置されます。これを葉枯らしといいます。

その後、3mや4mに玉切りされ、運び出されます。

さて、ようやく磨き丸太の製作過程に入ります。

まず、皮剥ぎ。木製のヘラや水圧で荒皮を剥いた後、しぶ皮を専用の道具で取ります。

この時、背割りも行います。丸太の芯まで丸鋸を使って切れ目を入れ、丸太表面の干割れを防ぐためです。

その後、約1週間屋外で乾燥させ、さらに室内に移し、時間をかけて乾燥を続けます。

最後に磨き丸太の名の所以である磨き洗いに入ります。角の取れた細かい川砂や棕櫚のたわしで丁寧に

磨き上げます。

いよいよ完成。出荷の日を迎えることになります。

今回、注文を受けた磨き丸太も住宅のポーチ柱として、これから何年、何十年と活躍してくれることでしょう。

それでは、また。