材木屋さんて何をしているの(第11回:梁といえば)


 

こんにちは、街道です。

連日暑い日が続きますね。

さて、これまで土台・柱の適材を書いてきました。今回は梁です。

梁とは、柱と柱の間に渡され、屋根などの、その上部構造を支える部材です。

両端を柱に支えられ、その中間点では上からの曲げ圧力が掛かりますので、曲げに強い材料が求められます。

通常用いられる樹種は、米松、国産松(赤松、唐松)といった松系、およびレッドウッドや米松の集成材等です。

地域によっては杉を使うところもあります。

この中で圧倒的なシェアをほこるのは米松です。私たちも通常、次のような組み合わせで使用しています。

2階建ての家だとすると、1階と2階の間で、2階の床を支える部分には、米松の乾燥材、

2階と屋根の間で、屋根を支える部分には米松のグリーン材(未乾燥材)、

その中でサイズの大きなものはレッドウッド(又は米松)の集成材といった具合です。

何も使い分けせずにすべて米松の乾燥材でも良いわけですが、そこはコストとの兼ね合いです。

強度上支障がなければ、安く済むに越したことはありません。

サイズが大きな部材に集成材を使うのも、その理由によります。また、無垢材よりも集成材の方が

曲げ強度が強いといわれ、より小さいサイズですみます。

集成材で注意して頂きたいのは、使用している接着剤です。

接着剤は、大別して2種類、レゾルシノール系(黒のり)とイソシアネート系(白のり)となります。

レゾルシノール系は接着力や耐久性は高いのですが、ホルムアルデヒドを含みます。シックハウスの

元凶として知られる成分ですね。最もホルムアルデヒドの放出量が少ないF☆☆☆☆(フォースター)

という等級のものを、最低でも使いたいところです。それでも屋内で使うのはためらう人もいるかと思います。

それに対して、イソシアネート系は、1970年ごろ日本で開発されたもので、ホルムアルデヒドを含みません。

接着性はそれほど変わらないのですが、問題は、耐水性が無い点です。水に曝されると、剥離する可能性が

あります。従って、集成材を使用するときは、室内ではイソシアネート系を使ったもの、外部ではレゾルシノール系

のもと使い分けるとよいでしょう。

それでは、また。