金沢木材販売事情(その1 お堅いのはいやよ)


社長です。約半年ぶりのブログ投稿です。

私がこの会社に入ったのは約20年前、長男が生まれた年です。それまでは、全然関連のない業種についておりましたので、木材についてはまっさらの素人でした。ちなみにそれ以前の直近の仕事は、某地方新聞社の文化教室を運営する部署の職員として、色々な教室の運営・管理に当たっておりました。各分野の一流の先生方と触れ合えることができたのは、それなりに楽しいことでもありました。

私事はそれくらいにして、そんな私ですから、営業を担当するようになると、数々の失敗をしでかしております(今でもですが・・)。そんな木材の販売にかかわる失敗談を、徒然なるままに紹介していきます(Noイメージですいません)。

最初の失敗談は、素人ゆえにしでかした失敗についてです。

ある日、常連のお客さんが、入社間もない私をつかまえて、「米ヒバの柱が欲しいから、1等材の梱包の中から、きれいなものを選んで出しておいてくれ」といいました。1等材というのは、建築の現場では、見た目を気にしない、比較的低価格の材料を指します(木材の等級付けについては項を改めて説明します)。張り切った私は重たい材木をあっちやり、こっちやりして、これはきれいだというのを探し出し達成感に浸っておりました。しかしながら、再び現れた件のお客さんが、私の選んだ材料を一目見るなり、「こんなアテている材料が使えるか」と怒りまくるのです。そうして、自分でさっさと選んで持って帰られました。この後もちろんアテについて勉強したのは言うまでもありません。

《アテ》                                                                              木材の欠点の一つで、木材のコブのようなもの。傾斜面で成長した樹木などは、一旦地面に垂直に伸び、その後上方に屈曲して、空に向かって真っすぐ伸びる。そのような屈曲部では、幹の地面に近い方と、その反対側とで年輪の構造に差ができ、地面に近い凸部は、異常に硬くなる。一見して、節も少なく、きれいに見えるし、硬いのなら頑丈で良いじゃないかと思うのだが、とにか狂いまくる(何をどうしても曲がったり、ねじれたり、そったりする)ので、建築用材としては、忌み嫌われる。人も木材をお堅いだけではだめみたいですね。