ケヤキ 柱 もったいない


昼休みにTV番組で、東京都知事が次のオリンピックの競技会場のコメントを仰っていました。「日本語で言うところのもったいないの精神で・・・なんちゃらかんちゃら・・・」

ふと気づくと今日の作業の一つは「ウメキ」です。まさに「もったいない」の精神から出てきたような作業ですので、これから紹介させていただきます。

先日お客様が、どこかの建物から解体したときに出てきた欅(ケヤキ)の柱を持ってこられました。たくさん穴が開いているのですが、どうしても再利用したいと言うのです。事情は詳しくお聞きできませんでしたが、おそらく思い出がたくさん詰まったものだったのでしょう。上の写真がそれです。この穴を一つ一つ、別の欅の木で埋めていこうと思います。

もともと空いていた穴は、ガタガタな切り口のものが多いため、もう一度一回り大きな穴を綺麗に作り直します。

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最初は機械を使いますが、最後は手の感覚で仕上げます。

そこにピッタリか、わずかにきつめの欅を作ります。

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よく見てみましょう。はめる材料の欅は少しだけ台形に作ります。(ほんのわずかですよ)

きっちりはまるものができたら、接着剤と共に固定します。この時埋木が大きすぎれば割れます。少しでも小さければ隙間が見えて、職人のプライドが傷つきます。(笑)

上手にはまったので、最後はカンナで表面を仕上げていきます。

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こんな感じです。杢目を合わせることはホボ不可能ですが、思い出の跡と共によみがえりました。

一つ一つ手間はかかりますが、総ての物の大切さを再認識させられます。

日本の、昔からある「もったいない」の精神を大切にしていきたいですね。

 

加工センター  西島