材木屋さんて何をしているの(第10回:柱なら)
こんにちは、街道です。
前回は土台の話をしました。木材にも土台向きの樹種があり、適材適所に使い分けることが大事だと述べました。
ところで、この適材適所という言葉ですが、適材の材は、現在では人材という意味で使うことが多いのですが、
元を正せば、木材の材から来ています。適切な木材を適切な所で使いなさいという建築用の言葉だったのです。
さて、土台を敷けば、その上には柱が立ちます。今回は柱に適した木材を紹介します。
柱はご存じなように、その上の梁や屋根を支える重要な部材です。それが必要とする性質は、
繊維組織が通直(要するに真っすぐ)で、縦方向の力に強いこと。
寸法・形状の安定性が高いこと(後から変形したり、サイズが変わったりしないこと)。
等が挙げられます。
では、現在柱として使われているのは、まず、杉、桧、米ヒバ。それから国産ヒバやホワイトウッド集成材などです。
石川県はもともと米ヒバを比較的よく使う県でしたが、今は、杉、桧が多くなっています。ここでは、杉(巻頭の写真)、
桧、米ヒバについて見ていきましょう。
桧 米ヒバ
まず、繊維組織が通直であることについては、いずれの樹種も、その立木は地面から真っすぐに空に向かって伸びています。
それは、性質が柱向きであることを示しています。縦強度について言えば、年輪の芯の部分が入った芯持ち材が、より強く
なります。
次に、寸法・形状の安定性ですが、杉も桧も、現在人工的に十分乾燥した材料が流通してますので、心配はありません。
ただ、米ヒバは生の状態で、輸入されますので、使用する前には時間を掛けて自然乾燥をする必要があります。
木材を乾燥させると、表面に割れが発生しますが(干割れといいます)、強度的には特に支障はありません。
また、適切な乾燥は木材の強度を増すことにもなります。桧などは伐採後200年間は、乾燥の進行に伴い強度が増して
いくと言われています。
その他の留意点を挙げれば、土台とつながる1階の柱には、防腐・防蟻性の高いものを選べばなお良いでしょう。
例えば桧の赤身材や米ヒバです。 2階には安くて経済的で、なおかつ軽い杉を使い分けるのも有りです。
最後に一つ、ホワイトウッドの集成柱ですが、これはシロアリには決して強いとは言えませんので、敢て使うのであれば、
使用する場所を限定する必要があります。
それでは、また。