材木屋さんて何をしているの(第7回:デッキ材あれこれ)


こんにちは、街道です。

昨日のブログで、弊社の若手社員がセランガンバツに触れましたので、今日はそれに引き続いて少し話を進めてみたいと

思います。

セランガンバツは、案内の通り非常に硬くて、耐久性に富んだ木材です。そのため、風雨に曝される屋外での

使用に適しており、日本でも広くデッキ材として利用されます。今回仕入れしましたのも、お客さんからの

デッキで使用したいとの要望からでした。

お客さん 「デッキに使いたいんやけれど、何がいいかな」

私 「少し高くなるけど、堅木が長持ちしますよ。イぺとかジャラとかバツとか色々あるけど」

お客さん 「なるべく安いのがいいな」

私 「それなら、バツかイタウバかな」

お客さん 「どっちが安い」

私 「そんなに変わらんけど、バツが少し安いかな」

お客さん 「そんならバツでいいわ」

みたいなやりとりがありました(値段ばっかし・・・)。

そこで、今回は一般に流通しているデッキ材について、浅学ですが少し解説させていただきます。

デッキ材として使用される材料は、まず、天然木と樹脂等を加工した人工木に大別されます。

天然木は、次いで、広葉樹を中心とした堅木のハードウッドと針葉樹を中心とした柔らかいソフトウッドに分けられます。

セランガンバツはハードウッドに属します。ソフトウッドで、皆さんが良くご存じなのは、ホームセンターで売っているSPF

です。ここではハードウッドについて見ていきます。 ハードウッドの代表的なものを挙げますと、ウリン・イぺ・ジャラ

イタウバ・サイプレス等があります。サイプレス以外は、濃い褐色で、見た感じは、どれもよく似ています。

上の写真は、右からイぺ・ジャラ・イタウバとなっています。はっきり言って、長年材木屋をやっていても、見分けがつきません。

このハードウッドは特徴は、高い耐久性にあります。デッキ材として不可欠の要素です。

個々をみていきましょう。 まず、ウリン・イぺ。 極めて耐久性が高く、デッキ材の王道をいきます。ウリンは別名、アイアン

ウッド。鉄のように硬いの意です。イぺも耐久性では負けていません。ご存知の東京アクアラインの海ほたるのデッキに使用

されています。それぞれ何も手をかけなくても30年以上持つと言われていますが、欠点は、ややコストが高いことと、

硬すぎて作業しづらいことです。間違っても、手鋸と金槌でデッキを組もう等と考えないで下さい。

次いで、ジャラ・バツ・イタウバ。 耐久性では、ウリンやイぺに僅かに及ばないものの、比較的安価で、それぞれに

特徴があります。 ジャラは、やはり硬くて重い木ですが、アク落ちが少ない木です。 バツ・イタウバは、イぺに比べれば

やや軽く、加工性では勝ります。特に、イタウバは油分が多く、なめらかな肌触りです。欠点としては、ジャラやバツは、

日割れや、ささくれが比較的出やすいことにあります。 サイプレスはこれらの中で唯一の針葉樹の堅木で、白っぽい木です。

世界一シロアリに強いと言われる耐久性と高い加工性を合わせ持ちます。

と、ここまで見てきたところで、それでは家のデッキに使うのにはどれが一番良いのという話になります。が、これが一番とは

なかなか言えません。予算、色の好み、使用場所、加工性等、色々な要素の中で、どれに優先順位を置くかで変わってくる

からです。それでも敢て、比較的低予算で加工性も良く、土足で歩くウッドデッキを作るとした場合のベスト3は、と問われれば、

あくまで個人的な見解ですが、イタウバ・セランガンバツ・サイプレスでしょうか。 ソフトウッドも含めれば、レッドシダーの

デッキグレード(節有)も良いかもしれません。

以上、ウッドデッキを考えていらっしゃる方の、材料選びの参考になれば幸いです。 それでは、また。