材木屋さんてなにをしているの(第5回目)
こんにちは、街道です。
前回は、在庫管理についてお話をしました。
今回は、管理をする上で、弊社がもう一つ気を使っていることを書きます。
それは、割れ止め塗りです。最近では多くの製品が、予め機械乾燥された状態で入荷されますが、
未乾燥の製品もまだまだあります。こういった未乾燥材は、そのまま放置しておくと、自然乾燥に伴い
割れが発生する場合があります。割れが生じれば、製品価値が下がります。特に、高価な化粧材では
尚更です。弊社では、そのような材料を入荷すると、すぐに割れ止め用のボンドを塗るようにしています。
写真はピーラと呼ばれる材料です。ピーラとは、戦後多く輸入されるようになり、広く構造材として使われている米松
の中でも、特に目が積んで(年輪の間隔が小さい)、節などの欠点が少ないもののことです。写真のような盤の状態で
入ってきますが、これを製材所等で鋸挽きをして、各種の用途、例えば窓やドアの枠材、床や壁・天井の板材といった
化粧材として利用します。もし割れが生じれば、その部分は製品にはできないので、ロスが大きくなります。これを歩留りが
落ちるといいます。そうならないための、予防としての割れ止め塗りなのです。
割れ止め塗りには、もう一つメリットがあります。塗る時には、梱包を解体して1本1本バラバラにします。そうすると、
梱包の状態では隠れていて分からなかった製品の状態が把握できます。お客様にお勧めする際に詳細な情報を提供でき
ることは信用につながります。
夏の炎天下での割れ止め塗りは大変な作業です。のんびりしていると、梱包を開いたしりから、パキッ、ピシッと割れる音
が聞こえてきてあせったりもします。それでも、これを買って頂くお客様のことを思えば大した苦労ではありません。
それでは、また。